新常識!
美人は寝ている間につくられる
心地よい温かさが日を追うごとに増していく春。この時期、朝の気持ちよさについつい寝過ごしてしまうという人も多いのではないでしょうか。「春眠暁を覚えず」。でも、それは本当に気候がよいことだけが理由なのでしょうか。 私たちが感じる“眠い”。それは身体からのSOSかもしれません。寝ている間にどれだけそのSOSに応えられるかが、私たちの健康と美に大きくかかわっているのです。
寝て育む大切な身体
寝ている間に体は作られます。その鍵となるのが“成長ホルモン”ですよね。
体の成長を促進したり、ターンオーバーなどの代謝のコントロール、また、細胞や脳の疲労回復、脂肪の燃焼、など、その役割は多岐にわたります。
子どもの頃「寝る子は育つ」と言われたのは、まさにその通り。でも、寝るのが大切なのは子供の時だけではないんです。睡眠は、代謝、細胞修復・再生、メンテナンスなど、美容にとっても重要な役割を担っています。
特に、細胞の修復は寝ている間でしか行われません。年を重ねるほど、私たちの細胞は傷つきやすくなります。傷ついた細胞をそのままにしてしまうと、傷ついた細胞を生み出してしまいます。 だからこそ、私たちにとっても細胞を修復し、元気な細胞をつくってくれる、“睡眠”という時間は非常に大切な時間になるのです。
私たちの体も肌もすべて細胞から作られています。その60兆個の細胞は寝ることで元気になっているのです。
寝ているはずなのにスッキリしない。いつまでも眠気が続いている。というのは、身体からのSOS。特に、この時期、季節も変わり、環境も変わりやすい時期、体や肌は思う以上にストレスにさらされているのかもしれませんね。
睡眠の新常識! 寝てから3時間が勝負!!
では、質の高い睡眠とはどういうものなのでしょうか。
『ゴールデンタイム』って、きっと聞いたことがありますよね。 夜10時~深夜2時までの間に成長ホルモンが最も分泌され、この時間に眠ることでお肌の代謝が高まり、美肌へとつながるという考え方です。
実はこの定説、今、異論を唱えられているのです。 そもそも、夜10時に就寝は現代の生活に合わず、また、多様化するライフスタイルの中で、人の身体のリズムも変化し、必ずしも当てはまらなくなっているのです。
では、いつ成長ホルモンが分泌されるのでしょうか。
それは、入眠後3~4時間の間。しかも、睡眠の質により分泌が促されると言います。
成長ホルモンはリラックス神経と呼ばれる副交感神経の働きにより分泌されます。
そう、つまりは十分にリラックスした状態で、ゆったりと眠りに入れるかどうか。これが、成長ホルモンの分泌を左右するのです。
*質のいい眠りのための心得*
副交感神経はメラトニンが分泌されることにより優位になります。
眠りに入る1~2時間位前から、メラトニンの分泌を促すような習慣を心掛けましょう。
・部屋を暗くする
メラトニンの分泌は、“光”とくに、蛍光灯、テレビや携帯などから発せられるブルーライトにより抑制されてしまいます。できるだけ、寝る2時間前から控えましょう。
・リラックス
部屋を暗くしてアロマを焚くなど、夜はできるだけゆったりと過ごしましょう。この時の香りは、リラックス効果の高いもので。覚醒作用のある香りだと逆効果になってしまいます。
・湯船に浸かる
実は、寝る前の体は表面温度は上昇するものの、深部体温が下がることにより、眠りへと入ります。入浴は、一度上がった深部体温がだんだんと下がっていくとで、自然の眠りを誘ってくれます。40度前後のお湯に最低10分は浸かり、しっかり深部体温をあたためる入浴を心掛けましょう。また、入浴後30分は空けて、深部体温を下げるのも質のよい眠りにとってはポイントです。
・できるだけ空腹で寝る
お腹が満たされた状態で寝てしまうと、私たちの体は、寝ている間に消化をするために働いてしまいます。そもそも、消化器官を休ませるための睡眠のはずなのに、寝ている間もしっかり働き、起きてもスッキリしていないということが起こってしまいます。
とは、言っても毎日忙しく働く女性にとって、夜の時間も惜しいものですよね。
ゆっくりしたいと思っても、そのために時間を割くほどの余裕もないことも。となれば、やはり、ながらケアがおすすめ。リラックス効果の高い入浴料や、飲み物を眠りを誘うハーブティに替えてみるなどもおすすめです!
眠りをうながすハーブ
・カモミール ・ラベンダー ・パッションフラワー |
眠りの時間を最大限に活かす
さて、どうして睡眠が必要なのかわかりました。では、その睡眠時間を最大限、美容タイムとして活用することはできるのでしょうか。
そのポイントは“健康な細胞”にあります。
寝ている間に、細胞は修復され、また、新しい細胞も作られます。 健康な細胞からは健康な細胞が生まれ、傷ついた細胞からは傷ついた細胞が生まれるのです。
だから、できるだけ細胞を傷つけない生活、つまりは、活性酸素から細胞を守ること。また、傷ついても修復できる力をもつことが大切です。
細胞を傷つける生活習慣
・過度に紫外線を浴びる
・ムリな運動
・ストレス
・たばこ
この他、場合によっては食べ物によっても細胞は傷つきます。
細胞のために積極的に摂りたい食材
・かき、あさり【亜鉛】
・レバー、チーズ【ビタミンB2、B6、ナイアシン】
・ほうれん草、牛乳【ビタミンA】
・アーモンド、かぼちゃ【ビタミンE】
・モロヘイヤ、枝豆【葉酸】
とは言っても、毎日の生活の中で活性酸素を完全に排除したりするのは、とてもむずかしいことですよね。だとすれば、細胞を守ってくれるサプリメントや、修復を助けてくれるサプリメントなどに頼るもかしこい方法かも知れませんね。
また、傷ついた細胞自体をなくす「アプトーシス」に深く関わる“ミトコンドリア”も、健康な細胞を体内に保つためには重要な役割をもたらしています。姿勢をよくする、簡単な運動やスクワットなど、ミトコンドリアの活性を意識するのも一つです。
毎日誰もが行う“睡眠”。ちょっとした心がけと工夫で、最大の美容タイムになります。
ぜひ、何か一つでも『細胞が元気』をキーワードにしたアイテムを取りいれてみてはいかがでしょうか。